ソーシャルレンディングは、新しい投資形態として日本国内において2016年からサービス事業者の増加と同時に利用者が非常に増加しています。
数多くのソーシャルレンディング会社がある中でどのサービス提供会社がいいのか?と気になっている方も多いと思います。
サービス提供会社によって投資形態のジャンルや平均利回りは異なりますが、
この記事では「総額ローン成約ランキング」からサービス提供会社を比較してみたいと思います。
「総額ローン成約額が多い」という特徴は、どのサービス提供会社で口座開設をするか判断する上で非常に大事な要素です。 その理由は大きく分けて2つあります。
理由① 自分が投資したファンドが募集期間中に最低成立金額にならなかった場合、そのファンドは不成立となり、ファンドの運用は開始されないから
ソーシャルレンディング投資の特徴としてどんなに条件が良い投資案件であっても、募集額が最低成立金額に満たないとファンドの運用は開始されません。
つまり、案件における利回りや最小投資額は非常に大事な要素ですが、ローンが最低成立金額に到達しない可能性があるファンドを選んでしまうと、全額返金処理やロールオーバー(繰り越して他のファンドに投資されること)対応になってしまう場合があり、結果として時間の無駄となります。募集のほとんどは満額成立していますが、成約率が低いソーシャルレンディングサービス会社も中には存在するので注意が必要です。
理由② 総額ローン成約額が多いほど、良い投資案件である可能性が高いから
ソーシャルレンディングにおいて投資金額が集まりやすいファンドほど、条件が良かったり、利回りが高い可能性が上がります。
人気のファンドを多く取り扱っているソーシャルレンディング会社を選ぶことは、結果的に条件の良い投資案件である場合が多いと言えます。
総額ローン成立の割合が高ければ、それだけ多くのファンドが利用し、さらに投資家が参加していることがわかります。
そのようなソーシャルレンディング会社は、平均利回りが高かったり、担保が設定されている場合が多いです。
そこで今回はサービス開始から2017年2月までの最新の「総額ローン成約ランキング」をまとめてみました。
総額ローン成約ランキング:上位9選
1位 | maneo | 約646億円 |
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2位 | SBIソーシャルレンディング | 約128億円(※2016年6月時点) |
3位 | クラウドバンク | 約106億円 |
4位 | ラッキーバンク | 約78億円 |
5位 | LCレンディング | 約60億円 |
6位 | ガイアファンディング | 約25億円 |
7位 | クラウドリース | 約20億円 |
8位 | クラウドクレジット | 約19億円 |
9位 | グリーンインフラレンディング | 約17億円 |
(※SBIソーシャルレンディング以外2017年2月時点)
1位 maneo 約646億円
ソーシャルレンディング最大手。
そのシェアは成立ローン総額・ユーザー数ともに過半数を誇ります。
maneoはソーシャルレンディング最大手のサービス会社です。
2017年2月時点においてローン総額は646億円となっており、サービスの登録ユーザー数も最も多く、単体の成立ローン総額は市場の過半数のシェアを誇ります。また、maneoが提供するプラットフォームは、同業である他のソーシャルレンディング業者に複数提供しており、いわゆる貸金業のフランチャイズモデルでの事業拡大を図っています。
maneoの詳細情報
成立ローン総額 | 636億4,749万円 |
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利回り | 5%〜9% |
サービス開始日 | 2008年10月 |
出金手数料 | 投資家負担 |
2位 SBIソーシャルレンディング 約128億円
SBIホールディングスの安心感と古参による数多くの実績により、ローンが成立しやすい
2011年のソーシャルレンディング黎明期よりこの業界にSBIホールディングス株式会社100%出資として参入しています。ソーシャルレンディング業界は独立系やバックグラウンドの不明な運営会社の多いと言われている中で、SBIグループと背景がはっきりしており安心感があるのでローン総額も集まりやすく、ソーシャルレンディングを始めたばかりの方にも非常に利用しやすいサービスを提供していると言えるでしょう。また安心感はある分、利回りが低い案件が多いSBIソーシャルレンディングですが、2017年2月10日から募集が始まった不動産バイヤーズローンファンドは年利が6.5%と高く期待が集まっています。
SBIソーシャルレンディングの詳細情報
成立ローン総額 | 約128億円 |
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利回り | 2%〜10% |
サービス開始日 | 2011年3月 |
出金手数料 | 無料 |
3位 クラウドバンク 約106億円
取扱の案件のカテゴリ、案件数ともに多く、様々な投資家ニーズを満たすラインナップ
クラウドバンクは2013年12月よりサービスを開始しています。
それほど古参ではないですが、クラウドバンクの人気の理由は複数のカテゴリに投資ができるため、どの投資家の要望に応えやすいファンドが集まっているからと言えるのではないでしょうか。
大きく4つのカテゴリに分類されているのですが、
⑴新興国向けマイクロファイナンス(カンボジアなど新興国に小口の融資を低金利、無担保を原則として行う融資)
⑵不動産担保型ローンファンド(不動産を担保とした事業性ローン)
⑶中小企業支援型ローンファンド(中小企業向けM&A資金や不動産購入資金)
⑷代替エネルギー特化型ローンファンド(風力発電や太陽光発電事業に特化)
もっとも投資家に人気があるファンドが集まっているのは⑵不動産担保型ローンファンドと⑶中小企業支援型ローンファンドです。理由は、明確に設定されている不動産担保によるリスク軽減と資金用途を詳細に他社よりも説明していることによる、サービスの明瞭化です。
2017年2月現在において、中小企業支援型ローンファンドと代替エネルギー特化型ローンファンドが主になっているようです。
クラウドバンクの詳細情報
成立ローン総額 | 累計約106億円 |
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利回り | 4.2%〜7.5% |
サービス開始日 | 2013年12月 |
出金手数料 | 無料 |
4位 ラッキーバンク 約78億円
満額成立するスピードが速い。募集額に対する応募額の割合は間違いなくトップクラスだと言えます。
ソーシャルレンディング投資において、自分が投資したファンドが募集期間中に取引の最低成立金額にならない可能性はありますが、ラッキーバンクは他社と比較しても間違いなく成立しやすいファンドです。ラッキーバンクは業界では比較的新しいサービス提供会社ですが、 人気の理由は以下2点が挙げられます。
⑴2016年8月にLBIリアルティという子会社を設立し、不動産案件をより詳しく把握し精査できるようになり、投資リスクの軽減ができるようになった。
⑵期待利回りが比較的高い。
ラッキーバンクの詳細情報
成立ローン総額 | 累計約78億円 |
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利回り | 6%〜10% |
サービス開始日 | 2014年12月 |
出金手数料 | 無料 |
5位 LCレンディング 約60億円
上場企業のロジコム社が保証する不動産特化型ファンド。利回りよりも徹底したリスク低減が人気の理由。
LCレンディングは上場企業で親会社であるロジコム社による保証をつけた案件(ロジコム保証つきファンド)が貸し倒れリスクの軽減になるため人気が高いです。ラッキーバンクのように募集があるとすぐには満額成立になるわけではないですが、信頼性の高い案件が多いため、結果的に満額成立になる場合がほとんどです。ソーシャルレンディング初心者の方にとって非常にオススメの案件と言えます。
LCレンディングの詳細情報
成立ローン総額 | 累計約60億円 |
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利回り | 平均6.2% |
サービス開始日 | 2015年7月 |
出金手数料 | 有料 |
6位 ガイアファンディング 約25億円
アメリカ不動産専門。担保評価額の70%で投資金額を設定しているので安心できるガイアファンディング。
ガイアファンディングはアメリカ不動産に特化し、投資資金をアメリカに建てる住宅の購入とリフォームに企てているソーシャルレンディングサービス会社です。
日本では不動産投資は一般的ではありませんが、アメリカでは一般的に不動産投資が行われています。アメリカの不動産はより日本に比べてより細かい不動産情報が公開されており、不動産投資の環境が整っている市場であるといえます。
またアメリカの不動産市場は総じて需要が高く、安定した成長が見込める市場となります。
アメリカ不動産のリスクを最大限軽減させた形(担保評価額の70%で投資金額等)で投資を集めているため、リスク管理と取れた投資が可能で安心感のある取引ができます。
ガイアファンディングの詳細情報
成立ローン総額 | 累計約25億円 |
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利回り | 5%~11% |
サービス開始日 | 2015年10月 |
出金手数料 | 有料 |
7位 クラウドリース 約20億円
取引成立するスピードも非常に早い。新参ながら店舗投資に特化する斬新な投資形態、そして新しいリスク分散手法として注目株。maneoの100%子会社。
クラウドリースは、2016年2月からサービス開始と新参のサービス会社ですが、飲食店等やパチンコ店等に特化した唯一の店舗投資を行うサービス会社です。特筆すべきはリスク分散がうまくできており、担保として回収したお店を運用して資金を確保したり、店舗の売り上げを直接回収したりするなどして担保・保全を確保しています。条件によっては不動産投資のように不動産担保のみが設定された案件よりも充実した担保設定であると言えます。またmaneoの100%子会社でもあり、投資家からの信頼性も高いです。
クラウドリースの詳細情報
成立ローン総額 | 累計約20億円 |
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利回り | 5.0%〜8.0% |
サービス開始日 | 2016年2月 |
出金手数料 | 有料 |
8位 クラウドクレジット 約19億円
クラウドクレジットは新興国向けの金融貸付型。高利回りが魅力的。初心者よりも経験者向けのファンドが多いが初心者向けのフォローが手厚い。
クラウドクレジットは新興国向けの金融貸付型ソーシャルレンディングを行っています。特徴はとにかく利回りが高いことで、5.3%~14.7%ほどの利回りがあります。また投資金額も最低1万円から投資可能となっています。クラウドクレジットはソーシャルレンディングをすでに経験がある方に支持されているサービスです。理由として、為替ヘッジ(為替の変動による収益の変動を抑える方法)を行うことで、為替の影響を最小限に抑える商品もありますが、為替ヘッジがないファンドも存在し、為替の影響があることなどからスキームを理解してリスクを検討する必要性が出てくるからです。この問題に対しクラウドクレジット側では、運用報告会を開催したり詳細を説明した運用レポート等を提出したりフォロー体制は整えており、他社と比較しても初心者向けのフォローアップ体制ができていると言えます。
クラウドクレジットの詳細情報
成立ローン総額 | 累計約19億円 |
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利回り | 5.3%~14.7%(運用手数料差し引き後) |
サービス開始日 | 2014年6月 |
出金手数料 | 無料 |
9位 グリーンインフラレンディング 約17億円
平均10%〜14%と非常に高い利回り率を実現。再生可能エネルギー特化型。
2016年9月よりサービス開始したグリーンインフラレンディングですが、平均10%〜14%という利回り率が投資家から支持を得ています。また再生可能エネルギー(自然界に存在し、何度でも繰り返し使えるエネルギー)への投資に特化していることもあり、投資資金自体が社会貢献に繋がるという側面もあり、その社会性の高さも人気の秘訣であると言えます。
グリーンインフラレンディングの詳細情報
成立ローン総額 | 累計約19億円 |
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利回り | 10%〜14% |
サービス開始日 | 2016年9月 |
出金手数料 | 無料 |
まとめ
今回は「総額ローン成約ランキング」からサービス提供会社を比較してみましたが、いかがでしたでしょうか?
サービス提供の開始時期からなのである程度期間的な要因によってランキングは決まってしまいがちですが、利回り率の高さや・担保などを設定することによるリスク管理体制などが固まっていれば新規参入のサービスであっても、高い成約率である可能性が高いです。総額ローン成約状況からある程度サービスがどれだけ支持されているかを指し図ることは可能ですが、まだまだ新しい投資形態でもあり、その分新しいサービスは続々に生まれています。サービスローンチされればいち早く新しいサービスを調べ、投資対象になるかを判断できるかが投資する観点では重要なのではないでしょうか。