ソーシャルレンディングの様々な案件を見ていると、一つの募集ファンドが複数の案件から成り立っているのをよく目にします。
実際にmaneoの「事業性資金支援ローンファンド244号(案件1:AX社、案件2:AN社)」を例に見てみましょう。
募集金額と利率は以下の様になっています。
案件1:AX社
募集金額:¥20,000,000
利回り:6.5%
案件2:AN社
募集金額:¥50,000
利回り:5 %
案件は複数化され、かつ貸し出し先の事業会社は覆面化されています。
ソーシャルレンディングの案件の複数化、覆面化の理由
この理由はmaneo社長の滝本氏のブログに理由が記載されていますので、一部を紹介したいと思います。
監督行政機関からの指導である、
・覆面化(投資対象企業の実名を載せない)←これは昨年すでに対応済み
・複数化(案件を個別に募集せず、複数の案件をファンドとしてまとめて募集する)のリクエストに、これで両方対応させて頂きました。
引用:実務的な対応をさせて頂きました。 | 投資の現場レポート
これによれば監督行政機関からの指導ということになっています。ではなぜこのような指導が出たのでしょうか?
同氏の以前のブログ(maneoに関する監督行政とのやりとり)によれば、
「今のカタチでは、投資家に貸金業者としての登録が必要になる可能性がある」
ということでした。
「(実質的に)maneoを介して、投資家が個別企業に貸金を行っている状態」
という見方になるとのことでした。
事業会社を公開し、しかも1つの会社だけの貸付案件とした場合、実質的にmaneoを介して、投資家が個別企業に貸金を行っている状態になるため、投資家が投資家に貸金業者としての登録が必要になる可能性があるというのが理由の様です。
2014年以前は個別化、実名表示で行っていたようです。
監督行政期間の指導もなんとも杓子定規な対応という印象はありますね。滝本氏も色々と個別化、実名表示のメリットについて監督行政に説明されたようですが徒労に終わっているようです。特に実名表示は投資家が投資を行うかどうかを判断するのに重要な指標であるように思います。
なぜ案件で募集金額に差があるのか
これも上記のブログに詳しく解説されているのですが、要約してみます。
募集ファンドA
案件1:2000万円
案件2:5万円
の案件があると仮定すると、この二つの案件は
・これから行う案件(案件1)
・実行済み案件(案件2)
で構成されるようです。
上記の例では実際にお金を集めて貸し出すのは2000万円の案件です。5万円の案件は複数化するためのダミーです。このダミーの案件にはすでに投資が完了している案件を紹介しているそうです。
仮にどちらもこれから貸し出す案件を募集した場合、途中で片方の案件が頓挫した場合、ファンドを解散する必要があり、もう一方の案件もに影響が出ることを懸念して実行済みの案件で複数化を図っているようです。