クラウドバンクのここがポイント!
まず、クラウドバンクの大きな特徴を挙げていきましょう。特徴的なのは、以下の5項目です。
- 業界第3位の募集実績
- 徹底したリスク管理により、ローリスクで利回りが高い案件が多い
- ファンドの種類が豊富
- 1口1万円から7ヶ月~11ヶ月の中期投資が可能
- 過去2回ほど行政処分を受けている
業界3位の募集実績
クラウドバンクの応募総額は、2019年1月30日時点で約445億円。
償還済の資金は約330億円、業界3位の実績となっています。
2018年以降は、2位のSBIソーシャルレンディングに迫る勢いで募集金額を伸ばし続けており、特に2018年の1年間だけで、応募金額は100億円を越えています。
クラウドバンクは口コミ評価が高いのが特徴のひとつで、ソーシャルレンディングに参入する投資家が増加したのにあわせ、クラウドバンクにも大量の流入があったと見るのが自然でしょう。
徹底したリスク管理により、ローリスクで利回りが高い案件が多い
公式が発表する、2018年3月期までの平均利回りは6.79%です。
実際に全案件を調査したところ、募集中のものも含めて目標利回りはほぼすべて6.7%、6.9%、7.4%のいずれかでした。
10%を越えることもあるソーシャルレンディングの案件全体でいえば、一見して高くはない数字に見えますが、実は非常に高い数字です。
というもの、クラウドバンクの案件はほとんどが「担保付き案件」および低リスクな「再生可能エネルギー事業(太陽光・風力・バイオマス等)」であるためです。
ソーシャルレンディングにおいて主軸にすべきファンドは、まず何よりもリスクの低い案件です。
中でも、担保不動産の売却で元本割れを回避できる不動産担保つきファンドと、貸し倒れの確率が少なく手堅い、再生可能エネルギー事業(特に太陽光発電)は盤石。
クラウドバンクではこれらを中心に扱っていることから、リスク管理意識の高さが伺えます。
ただ、これらの案件はリスクも抑えられることで、リターン(利回り)も平均4~5%に抑えられる傾向にあります。
一方でクラウドバンクでは、常識を打ち破る6%越えを実現しています。
利回りだけを見ても、主軸に据えていくのにおすすめしたいサービスとなっています。
ファンドの種類が豊富
利回りは安定していますが、募集されるファンドの種類は多種多様です。
詳しくは後述しますが、「マイクロファイナンスファンド」と呼ばれる発展途上国の貧困層への融資案件や、横浜市と協定を結んだ中小企業への融資案件なども存在します。
投資をしつつ社会貢献もできるわけですね。
ただし、案件数自体は多くないので、中には人気が高く募集してすぐに埋まってしまう案件も少なくありません。
中期投資が可能
クラウドバンクでは多くの資産を持つベテラン投資家よりも、総資産額が少ない若年層が多く利用しているサービスです。
特に総資産500万円以下の層は全体の中で約半数を占めており、若年層の関心の高さがうかがえます。
これは、事業者の中でも特に「少額投資で利回りが高い」案件を多く扱っているため。
一口一万円という少額で運用機関が7ヶ月~11ヶ月の中期投資案件が多いです。
行政処分を受けている
クラウドバンクは2015年と2017年にそれぞれ行政処分を受けています。
2度の行政処分を受けたという事実を、「2度の危機を乗り越えて改善された事業者」と取るのか、「2回も指導を受けている危険な事業者」と取るのかは投資家次第というほかないでしょう。
とはいえ、クラウドバンクの業績が右肩上がりである点を鑑みると、業界的には前者の見方が強いように思えます。
なお、2回も行政処分を受けた背景には、クラウドバンクが他よりも厳しい規制のかかる「第1種金融他事業者」であることが影響しています。
2015年には、顧客の資産と会社の資産を分別管理できていなかったことで「業務停止命令」及び「業務改善命令」を受けました。
これにより、3ヶ月の営業停止に加えて自主営業停止期間が設けられ、2015年11月に経営再編を図ったうえで業務を再開しています。
これだけで済めば良かったのですが、2年後の2017年、クラウドバンクはもう1度行政処分を受けてしまいます。
原因となった案件は2つ。
1つ目は、手数料還元をうたったキャンペーンファンドで、実際には手数料が還元されていなかったことです。
2つ目は、不動産開発事業に関するファンドにおいて、リスク説明の項目で事実と異なる表記をしていたことで、著しく人を誤認させるような広告であるとの判断が下されました。
現在これらの命令内容にはすべて対応済みで、2018年には目立ったトラブルは起きていません。
クラウドバンクの特徴
クラウドバンクは、「日本クラウド証券株式会社」が2013年からスタートさせたソーシャルレンディングサービスです。
2018年1月30日までの応募累計金額は4450億円を突破し、ソーシャルレンディング業界では3位の実績を持つ大手事業者です。
また、中小企業支援として横浜市と提携した案件や、オリックス銀行融資内定済みの不動産案件など、自治体や大手企業との関係強化にも取り組んでいます。
ネガティブな部分としては、2度の行政処分を受けている点が挙げられますが、未だに貸し倒れは0件。
過去に一度だけ、手続きの不備による1ヶ月の運用期間延長がなされましたが、それ以外に事故らしい事故は起きていません。
総合して、証券会社らしい社会貢献度が高くリスクの少ない案件が中心の「手堅く安心な事業者」だといえます。
株主構成
クラウドバンクの筆頭株主は、クラウドバンク・ホールディングス株式会社となっています。
運営体制
グループを統括する親会社「クラウドバンク株式会社」の下に、子会社である「日本クラウド証券」「クラウドバンク・フィナンシャルサービス」「クラウドバンク・インキュラボ」3企業があるといった形です。
3つの子会社は、それぞれ以下のように分担した業務を行っています。
- 日本クラウド証券:投資家に案件募集、ファンド募集サイト運営(資金調達)
- クラウドバンク・フィナンシャル:企業に融資を行う(資金運用)
- クラウドバンク・インキュラボ:全体のシステムを管理する
業務の流れに沿って、以下のような役割分担がなされています。
- 日本クラウド証券が案件の募集
- 投資家が案件に投資
- クラウドバンク・フィナンシャルが集めた資金を融資先企業に貸し付け
- 1と2の業務を進めるシステムをクラウドバンク・インキュラボが管理
- 上記3企業をクラウドバンクが統括
手数料
口座開設手数料や販売手数料は無料。
米ドルで出金することさえなければ、基本的には完全無料で利用できます。
なお、口座に入金する際に金融機関にかかる振込手数料のみ投資家負担となっています。
ただ、これも他行宛ての送金が無料の口座を使うことで、無料で振り込むことができます。
案件の種類と特徴
クラウドバンクで募集される案件の特徴を一言で解説すると、「安定した利回りと運用期間で、手堅く利益を得られる案件が非常に多い」ことです。
案件数こそ少ないのですが、前述の通りリスク管理は非常にしっかりしており、ハイリスクな案件は今のところ見当たりません。
利回り・運用期間・最低投資額
実績平均利回りは6.79%(公式サイトの発表に基づく)です。
募集されたファンドに設定されている目標利回りも、ほぼすべてが6.7%、6.9%、7.4%のいずれかです。利回りは非常に安定しているといえるでしょう。
運用期間は案件によってまちまちですが、おおむね7ヶ月~11ヶ月で設定されている案件の割合が高いです。
ただし、3ヶ月の短期運用案件から、20ヶ月くらいの長期案件も存在しますので、実際のところはまちまちであるといえます。
平均して運用期間は短いといえますので、リスクを抑えた投資が可能です。
なお、最低投資金額は1つのファンドについて1口1万円からとなっています。
募集している主な案件
募集している主な案件は、以下のとおりです。
- 不動産担保型ローンファンド
- 再生可能エネルギー系ファンド(太陽光・風力・バイオマス)
- 中小企業支援型ファンド
- カリフォルニア不動産ローンファンド
クラウドバンクの評判
クラウドバンクの評判について、SNSやメディア・ブログで特に多く見られた意見をまとめました。
現状では評価が高いが、過去の行政処分で未だに懐疑的な視線を向ける人もいるといった印象です。
GOOD
第一種金融証券取引業の資格を持つ日本クラウド証券が運営
ソーシャルレンディングを運営している証券会社自体がまだ少ないこともあり、信頼性という観点では、業績も含めて一歩抜きん出ているといった印象です。
証券会社は、他のソーシャルレンディング事業者よりも規制が厳しい「第1種金融商品取引業者」であるため、監視体制がしっかりしているというのも理由の一つでしょう。
手堅い担保付き案件が多い
基本的に、手堅く利回りが得られる案件のみを募集しているのが特徴です。
貸し倒れ(デフォルト)件数も0件で、利回りも案件によってブレ幅があるわけではないので、非常に安定した運用ができる点が特に評価されています。
短期運用でも利回りに期待できる
前述のとおり、利回りが安定しているので7ヶ月程度の短~中期運用でも収益が見込める点が高評価です。
メイン事業社に据えている方も多く、今後も高い人気を維持し続けるでしょう。
BAD
2度の行政処分を受けている
2回の行政処分を受け、うち1回は3ヶ月営業停止処分にもなったため、未だに懐疑的な目を向ける投資家も少なくないのが現状です。
とはいえ、営業以来デフォルト件数は0件で、特に営業再開後の2018年では延滞さえ一度も起きていませんので、改善されたとみる意見もあります。
万全を期すなら他の事業者を選択するのも良いでしょうが、このあたりは投資家が個別で判断をしていくほかなさそうです。
案件数が少ない
案件数は、大手2社(maneo、SBISL)と比べると少なめです。
人気があるため、特に競争率の高い案件ではすぐに募集が終了してしまうことも少なくありません。
そのため、もう少し案件を増やして欲しいという意見や、大口の案件が欲しいという意見がちらほら見られました。
これに関しては、2018年以降黒字転換し、ソーシャルレンディング事業が軌道に乗ってきている段階ですので、徐々に改善されていく可能性は高いです。
口座開設方法
クラウドバンクの口座解説、取引開始までの具体的な手順を解説していきます。
なお、個人でPCを使って登録している方向けの説明ですが、スマホで登録する場合でもあまり手順は変わりません。
クラウドバンクの登録は完全無料、15分あれば手続きが完了します。
口座開設し、取引を始めるまでには、以下の4ステップを踏むだけでかまいません。
- 口座開設申し込み
- 各種書類等提示
- 審査(最短一営業日)
- 口座開設
書類のアップロードはスマホかPC上で完結するので、手間もあまりかからないのが嬉しいところ。
他の事業者と同じく登録の前に審査がある(最短一営業日)ので、これからソーシャルレンディングを始めるという人は他の事業者と並行して登録を済ませておきましょう。
事前に準備するもの
口座開設にあたり、必用なものをまとめておきました。
手続きに進む前に、あらかじめ準備しておくとスムーズです。
- メールアドレス
- 本人確認書類
メールアドレスは、普段使っているものかGmailでかまいません。
本人確認書類は、表面・裏面両方をスマートフォンで撮影しておきましょう。
1.口座開設申し込み
PC上でのやり方を解説していきます。
クラウドバンク公式サイトの右上にある「口座開設」をタップ。
口座開設のお申し込みフォームから、必要事項を入力。
入力項目は2ページに別れており、1ページ目で入力する内容は以下の通り。
- メールアドレス
- パスワード
- 秘密の質問と答え
- メールマガジン登録の可否
- キャンペーンコードの利用可否
- 利用規約への同意
これらを入力できたら、「次へ」を押します。
2ページ目では、個人情報や口座の種類、投資経験などを入力します。
不備や誤りがあると、差し戻しや調査などで審査時間が伸びてしまうことがありますので、間違えないように入力しましょう。
- 個人情報
- 出金先口座
- 投資経験
- 確認事項の同意
これらが完了したら、本人確認書類の提出に移ります。
2.各種書類・マイナンバーカード提示
本人確認書類は、スマートフォンのカメラで撮影したものをアップロードする方式で提出できます。
PC上で登録する場合は、撮影した写真をスマホでGoogleドライブに保存するなどしてPC側に受け渡しておきましょう。
利用できる本人確認書類は、以下の通りです。
1. 運転免許証などの本人確認書類(現住所の確認ができる面の画像またはコピー1点)
- 運転免許証(現住所ではない本籍・臓器提供意思の記載がある場合は塗りつぶしてください)
- 印鑑登録証明書
- 各種健康保険証(通院歴・臓器提供意思の記載がある場合は塗りつぶしてください)
- パスポ-ト
- 住民票の写し
- 住民基本台帳カード
- 個人番号カード(表面のみ)
※個人番号カードの裏面および通知カードは本人確認書類ではありません
※外国籍の方は外国人登録証明書、在留カード、特別永住者証明書、または住民票
2. 通知カードなどのマイナンバー確認書類(画像またはコピー1点)
- 個人番号カード(表裏両面)
- 通知カードの表面(個人番号・氏名・ご住所の記載のある面)
- 個人番号の記載のある住民票の写し
個人の方は、この2種類を提出すれば完了です。あとは審査結果を待ちましょう!
なお、審査結果は遅くとも5営業日以内には登録したメールアドレス宛に届くようになっています。
もし5営業日を過ぎるようであれば、クラウドバンクのカスタマーグループに連絡しましょう。
審査に通過すれば、口座が開設され、案内に従って投資をはじめることができます。
財務情報
クラウドバンク株式会社、および日本クラウド証券株式会社の財務状況は、現時点では大変良好です。
資本金 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | |
---|---|---|---|---|
2016年3月期 | 142 | 146 | -58 | -67 |
2017年3月期 | 100 | 227 | -10 | -21 |
2018年3月期 | 100 | 741 | 466 | 465 |
直近の平成30年3月期の純損益は4億6,600万円の黒字。
そのうち純営業収益は前年度比で約3.25倍の7億3,800万円で、ソーシャルレンディング事業が一気に軌道に乗ったことがうかがえます。
また、前期は2,100万円の赤字でしたので、今期はクラウドバンクで初の黒字化達成ということになります。
累計募集金額も、1月30日で460億円を超えており、業界2位のSBIソーシャルレンディングに迫る勢いを見せています。
税金と確定申告
ソーシャルレンディングや株取引など、給与所得以外で得た利益が合計20万円を超えた人は、確定申告をしなくてはなりません。
これはサラリーマンでも法人でも同様で、年度末に所定の手順を踏んで手続きを済ませる必要があります。
なお、確定申告の対象をおさらいしておくと、以下のような人は確定申告の対象となります。
- 給与所得が2,000万円以上→ソーシャルレンディングの所得に関係なく確定申告の必要有り
- 給与所得が2,000万円未満かつソーシャルレンディングとそのほかの所得の合計が20万円以上→確定申告の必要有り
- 給与所得が2,000万円未満かつソーシャルレンディングとそのほかの所得の合計が20万円未満→確定申告の必要なし
ソーシャルレンディングで得た所得は「雑所得」に分類されます。仮想通貨やFXなども同様です。
「マネーフォワード」&「MFクラウド確定申告」を活用しよう
確定申告を一度もしたことがないからと、慌てる必要はありません。
実は、ソーシャルレンディングの確定申告は会計ソフトを使えば簡単に終わります。
特に、確定申告をパパッと済ませたいのであれば、税金の控除が少ない代わりに必要書類が少なくなる「白色申告」がおすすめ。
会計ソフト&白色申告なら、初めてでも数時間あれば確定申告を終わらせることができます。
手順は簡単。家計簿ソフトである「マネーフォワード」に、利用しているソーシャルレンディングの口座を紐付けて、収益を可視化。
そのデータを、マネーフォワードと連携できる「MFクラウド確定申告」に落とし込んで書類をつくるだけです。
マネーフォワードは無料で、MFクラウド確定申告は有料版が月額800円。確定申告が終わったらすぐに解約するようにすれば、合計800円足らずで確定申告がスムーズにできます。
月額利用料も経費として申告すれば、トータルではもう少し安くなりますので利用するメリットはさらに大きくなります。
また、マネーフォワードは利用しているソーシャルレンディングサービスの総資産額を一元管理するのにも役立ちます。
日頃からマネーフォワードで投資額を管理しておいて、確定申告の時期に鳴ったらMFクラウド確定申告を使って終わらせる、という体制を作っておくとよいでしょう。
マイナンバーの提出
クラウドバンクを利用するにあたって、基本的にはマイナンバーを口座開設申込時に提示するようになっています。
これは、税務署に支払い調書を提出することが法令で定められているため。
他の業者で提出が必須ではないこともあるのは、顧客のマイナンバーを管理するコストがかかることと、現状ではマイナンバーの未提出に対し罰則は設けられていないためです。
しかし罰則がないとはいえ、クラウドバンクは証券会社(第1種金融商品取引業者)ですので、法令を遵守しないわけにはいきません。
前述の通り、第2種業者よりも第1種業者の方が規制・監視は厳しいのです。
ですから、クラウドバンクではマイナンバーの提出が必須とされているのです。
提出にはあまり手間はかかりませんので、登録時はマイナンバーをスムーズに提出できるように準備しておきましょう。
解約・退会
クラウドバンクを退会するには、口座閉鎖届をクラウドバンク側に提出する必要があります。
口座閉鎖届は、pdf形式で契約書類一覧よりダウンロードできます。
書類は印刷して郵送で送っても良いですが、ファイルにそのまま記入して下記のメールアドレス宛に送る方が迅速かつ確実です。
メールアドレス:[support@crowdbank.jp](mailto:support@crowdbank.jp)
送付後、数営業日で登録アドレス宛てに口座閉鎖完了の旨が届けば、閉鎖は完了します。
なお、一度口座を閉鎖してしまうと、再開設するのに年をまたぐ必要がありますので注意してください。